鬼考察

2014年3月5日 考察
鬼考察
鬼といっても鬼兵ではなく
桃にやられたりする鬼の話だが

「鬼」というのは絶対悪として定義される訳だ
従って桃が成敗するのも当然のことというか
しかし絶対悪というものは現世において存在しない訳で
つまり鬼というものは観念としての悪というか
想像上の悪という事になると思う訳だが

例えば桃が鬼ヶ島に乗りこんでいよいよ鬼を殺害しようとした時に
鬼父が鬼夜目と鬼子供に対して
鬼父「俺が食いとめるから逃げろ」
鬼娘「おとうさああああああん死んじゃいやあああああ」
桃「くたばれ鬼めー!」
ズバーーーーーーツ
鬼父「ぎゃああああああああああ」
鬼娘「おとうさああああああああああああああああん」
ということであれば
果たして鬼は生粋の悪なのかと

彼等は鬼ヶ島においてコミュニティを築いて
しかも人間と同じ金銀財宝の「宝物」という価値観を持って
そんで暮らしていると
彼等の目的を実行する手段が「略奪」であって
そこが許されないということであれば
彼等に必要なのは寧ろ貨幣経済と法整備であって
成敗という名のジェノサイドでは無いのではないかという

ましてや桃は鬼を皆殺しにした後
それまで鬼が集めてきた宝物を略奪している訳だから
これは最早どちらが悪か分からないのではないかという

桃は桃のコミュニティにおける正義を執行した訳だが
それは桃達の価値観に基づく行為であって
鬼は鬼で略奪という手段をもって
そのコミュニティを保たせていたということであれば
最早これはイデオロギーの闘争という形なのではないか

鬼の略奪の過程で桃側コミュニティの人間が不利益を負って
その報復としての行動であったとすると
中国が武力でチベット民をどうにかするのと
アメリカが武力でイラクをどうにかするのと
構造上全く変わらない訳で
しかもそれが童話になっているということであればつまり
日本国としてはそういった報復活動及びジェノサイドそして略奪を
認めているという事に他ならないのではないかという

結局正義はそれぞれにある訳で
焼畑農業をやっている現地人に
「それは畑が傷むから農薬と肥料でやりなさい」的な
果たしてそれが正しいかという事よ

しかも鬼は絶対悪として描かれている訳で
では相手が悪なら何をしても許されるのか
そんで悪というものの定義は何かと

鬼を悪と決め付けて思考停止しているところが今回の問題ではないかと

そのうち追記

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