考察に向いた
なかなか興味深い話である
我が子を成功させる、やりすぎない子育て
ジュリー・リスコット=ヘイムス
https://www.ted.com/talks/julie_lythcott_haims_how_to_raise_successful_kids_without_over_parenting?language=ja
0:11
子育ての専門家になる予定なんてなかったんですよ
実際私は子育てそのものにさほど興味はありません
ただ最近の子育てには独特なやり方があって
それが子どもをダメにしたり子どもの成長のチャンスを妨げたりしているところがあります 最近の子育てのある独特なやり方が邪魔になっているんです
0:35
私が思うに私たちは長い時間をかけて
子どもの生活や教育やしつけにあまり関わろうとしない親のことを大いに問題にしてきました
それは正しいんです
ただその対極にも大きな害を生んでいる親がいて
その親は子どもが成功する条件として自分が何かにつけて子どもを保護し
予防線を張り傍についてすべてを把握し絶えず細かく管理し
ごく一握りの大学や職業にたどり着けるよう仕向けなければと感じています
1:09
このように育てた場合―私も他人事じゃありません
なにしろ私自身2人のティーンを育てていて自分にもその傾向があるからです
彼らはチェック項目だらけの子ども時代を送ることになるのです
1:24
チェック項目だらけの子ども時代とはこんな感じです
子どもの環境は安全で健全か食料や水は足りているか
それから ちゃんとした学校に確実に入ってほしいし
ちゃんとした学校でちゃんとしたクラスに入って
ちゃんとした学校のちゃんとしたクラスでちゃんとした成績を取ってほしい
成績だけじゃなく点数も気になるし
成績や点数だけじゃなく表彰や受賞歴もスポーツや他の活動もリーダーシップも大事です
子どもに言います「クラブに入るんじゃなく部を立ち上げなさい大学に評価されるから」
奉仕活動の項目にもチェック思いやりがあることを大学に示さなくちゃ
1:57
(笑)
1:59
そのすべてが望ましい完璧さでなされること
我が子に完璧なレベルで実行することを求めます
自分たちが求められたこともないレベルです
多くを要求されるため親は思うのです
これは親の私が先生や校長やコーチや審判に文句を言ってやらなくちゃ
我が子のためにコンシェルジュを務めお抱えトレーナーとなり秘書もやらなくちゃ
2:26
すると私たちは大事な我が子と過ごす時間の多くをかけて
後押ししおだて手引きし手伝い口を挟み時にはガミガミ言ってでも
子どもが失敗していないか道を狭めていないか将来を台無しにしていないか
ほとんどの志願者が落とされるほんの一握りの大学に 望みどおり合格できるか
気にしてしまうのです
2:53
チェック項目だらけの子ども時代を過ごす子どもの側はと言うと
まず遊ぶ時間なんてありません
午後は予定が詰まっています
やることのすべてが有益じゃなきゃいけませんから
まるで 宿題、小テスト、活動の1つ1つが
親の描いた我が子の将来を左右する重大な局面かのようです
だから家事のお手伝いは免除
さらに チェック項目を片づけるためなら
子どもが十分な睡眠を取れなくても構わないとさえ思うのです
チェック項目だらけの子ども時代では親は子の幸せだけを願うと言いつつ
学校から帰ってきた子どもに 真っ先に尋ねるのはたいてい宿題と成績のことです
子どもは親の顔色を見て
親からの承認や愛情や自分の真の価値をもたらすのは優秀な「A」の成績だと考えるのです
そして親は子の横に付いて歩きおだて続けます
ドッグショーのトレーナーみたいに
3:53
(笑)
3:54
少しでも高くジャンプし少しでも遠くまで飛べるよう毎日毎日言って聞かせるのです
そして子どもは高校に入ると
「どんな勉強が面白そうかなどんな活動をしようかな」とは考えず
カウンセラーに こう言うのです
「ちゃんとした大学に入るには何をすればいいですか?」
高校で成績がつき始めて「B」を取ったり
あろうことか「C」を 取ったりしようものなら
子どもは慌てて友人たちにメールします
「こんな成績でちゃんとした大学に入れた人いる?」
4:28
子どもたちは高校を出る頃にはどんな状況かに関わらずみんな息切れしています
傷つきやすく燃え尽きたようになっていて年より少し老けています
大人たちにこう言ってほしかったと思っています
「もう十分だよ」「子ども時代 よく頑張ったね」
子どもたちは高い確率で不安症やうつを患い弱っています
中にはこういう疑問を持つ子もいます
自分の人生に価値があったと思える時なんて来るのだろうか
5:00
私たち親から見れば価値があるのは間違いありませんよね
でも子どもは親の態度から
もし親の思い描く大学や職業の狭き門をくぐれなかったら
自分に未来はないと思っているような印象を受けるのです
5:16
あるいはもしかしたら親は怖れているだけかもしれません
子の将来が友人に自慢できたり
車の後ろに貼って見せびらかしたりできるものにならないのではと
お分かりですね
5:29
(拍手)
5:35
でも親としてやってきたことを振り返れば
きちんと振り返る勇気を持てば見えてくるはずです
子どもは自分の価値が成績や点数にあると思っていること
そして発達段階の大切な子どもの 頭の中に住む私たちは
まるで映画『マルコヴィッチの穴』を 地で行くようにこんなメッセージを送っていることに
「私がいなかったら何ひとつ達成できやしないでしょ」
私たち親は過度に手助けし過度に保護し過度に指示し世話を焼くことで
子どもが自己効力感を育むチャンスを 奪っているのです
自己効力感は人間の精神の根本をなす概念です
親が褒めそやすたびに子どもが得る自尊心なんかよりずっと大事なものです
自己効力感は自らの行動が結果につながったと感じられた時に育まれるものですよね?
6:28
(拍手)
6:32
親が代わりにやった行動ではなく自らの行動が結果につながった時に育まれます
簡単に言えば子どもが自己効力感を持つのは必須のことですが
そのためには子どもは今よりずっと多く考え、計画し、決断し 実行し、望み、対処し、
試行錯誤し夢を抱き人生経験を積まなくてはなりません
すべて自力でです
7:00
さて私の話は
「子どもは皆 勤勉でやる気に満ち親が子の生活に 首を突っ込む必要はないから
黙って放っておけ」と 聞こえました?
まさか!
7:12
(笑)
7:13
そんなこと言ってませんよ
私が言っているのは成績や点数や表彰や受賞歴を子ども時代の目的にし
すべては一握りの大学に入り 限られた数の職業に就くという
その望みを広げるためという考えは
我が子の成功の定義としてあまりにも狭いということです
親の助けにより子どもが短期的に成功することはあるでしょう
助け過ぎですが親が宿題を手伝えば成績は上がるでしょうし
親が助ければ子ども時代に残せる実績は増えるでしょう
ただしそのすべては長期的な代償を伴い
子どもの自意識が犠牲になるのです
親は我が子が受験したり入学したりするかもしれない特定の大学のことなど心配していないで
どこへ行っても成功できるような習慣や考え方や技能や健康を
我が子が備えているかをもっと心配すべきなのです
私が言っているのは子どものために親は成績や点数への執着を弱め
成功の土台を作れるような子ども時代にもっともっと興味を向ける 必要があるということです
その元となるのは愛情や家事です
8:27
(笑)
8:29
(拍手)
8:34
家事ですよ家事聞こえました?本当にそうなんです
理由を説明しましょう
これまでで最も長い時間をかけて人間の変化を追った研究は
ハーバード大学の 「グラント・スタディ」です
それによると親の望みである人生における職業的な成功の源は
子どものうちにやった家事であることが分かりました
始めるのは早ければ早いほど良いです
腕まくりして手伝おうというマインドセットがこう語りかけるんです
「イヤな仕事だけど 誰かがやんなきゃ 私がやろうかな」聞こえてくるんです
「全体の向上のために自分が頑張ろう」
それが職場での出世につながるわけです
心当たりがあるでしょう
よく分かりますよね
9:16
(拍手)
9:19
誰もが知っています
なのにチェック項目だらけの子ども時代では子どもが家事を手伝うのを免除していますから
成人した若者として 職場に行ってもチェック項目を待っているというわけです
そんなものないのにです
より重大なのはやろうという気持ちや勘の欠如です
腕まくりして自ら手伝いに行き周りを見回して
「どうすれば仲間の役に立てるかな?」「上司の望みの数手先を打つには?」
と考えることができないのです
9:47
ハーバード・グラント・スタディによる 大変重要な発見の2つめは
人生における幸福の源は愛情だということです
仕事への愛じゃありません人間に対する愛です
配偶者やパートナー友人や家族への愛です
子どものうちに愛することを教える必要があります
まず自分を愛せなければ他者を愛することはできません
そして親が無償の愛を注がなければ子は自分を愛せるようになりません
10:16
(拍手)
10:20
そうなんです
ですから成績や点数に執着するのではなく
大切な我が子が学校から帰ってきたり
自分が仕事から帰宅した時電子機器は閉じましょう
携帯は脇へやって子どもの目を見て
数時間ぶりに我が子に会えた喜びが私たちの顔に表れているところを子どもに見せるのです
それから必ずこう言います
「どんな1日だった?今日よかったことは何?」
うちの娘のようにティーンともなると「ランチ」と答えます
こっちが聞きたいのは数学のテストで
ランチはどうでもよくてもやはりランチに興味を示さなくてはいけません
こう言うんですよ「今日のランチは何がよかった?」
子どもが親にとって大切なのは人間としてであって
成績評価は関係ないと 子どもに分からせるのです
11:10
さて皆さん こうお考えでしょう
「家事や愛情は大いに結構だが ちょっと待ってくれよ
大学が求めているのは高得点や最高の成績表彰や受賞歴じゃないか」
私の答えは「まぁ確かに」
最高級ブランドの大学が子どもたちに求めるのはそれです
でも朗報があります
大学ランキング商法が私たちに信じさせようとする情報とは裏腹に
11:37
(拍手)
11:42
人生において成功と幸せをつかむために最高級のブランド大学へ行く必要はないんです
成功し幸せになった人には地元の公立校を出た人も
無名の小さな大学や コミュニティ・カレッジ出身の人も
大学へ行ったけれど退学になった人もいます
11:57
(拍手)
12:04
その証拠はこの会場にも私たちの社会にもあり
それが真実であることを示しています
私たちが視野を広げ より多くの大学に目を向けようとし 自分のエゴを捨てたなら
私たちはこの真実を受け入れ気づくことになるでしょう
我が子が有名ブランド大学に行かなくてもこの世の終わりにはまずならないと
さらにもっと大切なのはあの非道なチェック項目に従わずに子ども時代を過ごしたなら
子どもは大学に進むとき
それがどこの大学であれ自らの意思で行き先を選ぶのです
自らの熱意に支えられ行った先でうまくやる力を備えているのです
12:48
ひとつ白状させてください
私は2人の子持ちだと言いましたね ソーヤーとエイブリーです
2人ともティーンエイジャーです
かつての私のソーヤーとエイブリーに対する感覚は盆栽を育てるようなものでした
13:02
(笑)
13:04
2人を入念に剪定して人間として完璧な形に仕上げようと していました
あわよくば超一流の大学にも入れるくらい完璧に作り上げようとしていたんです
でも気づきました何千もの他人のお子さんと接し
13:22
(笑)
13:25
そして自分の子育てをする中でうちの子たちは盆栽じゃない
子どもは野の花なんだって
ナニ属ナニ種かもわからない野生です
13:38
(笑)
13:40
私の役目は栄養たっぷりの環境を与え家事を通じて子どもを強くすることと
他者を愛し愛を受け止められる子になるよう子どもを愛することです
大学や専攻や職業は本人たち次第です
私の役目は自分が仕向けたとおりの子どもを育てることではなく
子どもが自ら輝いていくのをサポートすることです
14:06
ありがとうございました
14:07
(拍手)
なかなか興味深い話である
我が子を成功させる、やりすぎない子育て
ジュリー・リスコット=ヘイムス
https://www.ted.com/talks/julie_lythcott_haims_how_to_raise_successful_kids_without_over_parenting?language=ja
0:11
子育ての専門家になる予定なんてなかったんですよ
実際私は子育てそのものにさほど興味はありません
ただ最近の子育てには独特なやり方があって
それが子どもをダメにしたり子どもの成長のチャンスを妨げたりしているところがあります 最近の子育てのある独特なやり方が邪魔になっているんです
0:35
私が思うに私たちは長い時間をかけて
子どもの生活や教育やしつけにあまり関わろうとしない親のことを大いに問題にしてきました
それは正しいんです
ただその対極にも大きな害を生んでいる親がいて
その親は子どもが成功する条件として自分が何かにつけて子どもを保護し
予防線を張り傍についてすべてを把握し絶えず細かく管理し
ごく一握りの大学や職業にたどり着けるよう仕向けなければと感じています
1:09
このように育てた場合―私も他人事じゃありません
なにしろ私自身2人のティーンを育てていて自分にもその傾向があるからです
彼らはチェック項目だらけの子ども時代を送ることになるのです
1:24
チェック項目だらけの子ども時代とはこんな感じです
子どもの環境は安全で健全か食料や水は足りているか
それから ちゃんとした学校に確実に入ってほしいし
ちゃんとした学校でちゃんとしたクラスに入って
ちゃんとした学校のちゃんとしたクラスでちゃんとした成績を取ってほしい
成績だけじゃなく点数も気になるし
成績や点数だけじゃなく表彰や受賞歴もスポーツや他の活動もリーダーシップも大事です
子どもに言います「クラブに入るんじゃなく部を立ち上げなさい大学に評価されるから」
奉仕活動の項目にもチェック思いやりがあることを大学に示さなくちゃ
1:57
(笑)
1:59
そのすべてが望ましい完璧さでなされること
我が子に完璧なレベルで実行することを求めます
自分たちが求められたこともないレベルです
多くを要求されるため親は思うのです
これは親の私が先生や校長やコーチや審判に文句を言ってやらなくちゃ
我が子のためにコンシェルジュを務めお抱えトレーナーとなり秘書もやらなくちゃ
2:26
すると私たちは大事な我が子と過ごす時間の多くをかけて
後押ししおだて手引きし手伝い口を挟み時にはガミガミ言ってでも
子どもが失敗していないか道を狭めていないか将来を台無しにしていないか
ほとんどの志願者が落とされるほんの一握りの大学に 望みどおり合格できるか
気にしてしまうのです
2:53
チェック項目だらけの子ども時代を過ごす子どもの側はと言うと
まず遊ぶ時間なんてありません
午後は予定が詰まっています
やることのすべてが有益じゃなきゃいけませんから
まるで 宿題、小テスト、活動の1つ1つが
親の描いた我が子の将来を左右する重大な局面かのようです
だから家事のお手伝いは免除
さらに チェック項目を片づけるためなら
子どもが十分な睡眠を取れなくても構わないとさえ思うのです
チェック項目だらけの子ども時代では親は子の幸せだけを願うと言いつつ
学校から帰ってきた子どもに 真っ先に尋ねるのはたいてい宿題と成績のことです
子どもは親の顔色を見て
親からの承認や愛情や自分の真の価値をもたらすのは優秀な「A」の成績だと考えるのです
そして親は子の横に付いて歩きおだて続けます
ドッグショーのトレーナーみたいに
3:53
(笑)
3:54
少しでも高くジャンプし少しでも遠くまで飛べるよう毎日毎日言って聞かせるのです
そして子どもは高校に入ると
「どんな勉強が面白そうかなどんな活動をしようかな」とは考えず
カウンセラーに こう言うのです
「ちゃんとした大学に入るには何をすればいいですか?」
高校で成績がつき始めて「B」を取ったり
あろうことか「C」を 取ったりしようものなら
子どもは慌てて友人たちにメールします
「こんな成績でちゃんとした大学に入れた人いる?」
4:28
子どもたちは高校を出る頃にはどんな状況かに関わらずみんな息切れしています
傷つきやすく燃え尽きたようになっていて年より少し老けています
大人たちにこう言ってほしかったと思っています
「もう十分だよ」「子ども時代 よく頑張ったね」
子どもたちは高い確率で不安症やうつを患い弱っています
中にはこういう疑問を持つ子もいます
自分の人生に価値があったと思える時なんて来るのだろうか
5:00
私たち親から見れば価値があるのは間違いありませんよね
でも子どもは親の態度から
もし親の思い描く大学や職業の狭き門をくぐれなかったら
自分に未来はないと思っているような印象を受けるのです
5:16
あるいはもしかしたら親は怖れているだけかもしれません
子の将来が友人に自慢できたり
車の後ろに貼って見せびらかしたりできるものにならないのではと
お分かりですね
5:29
(拍手)
5:35
でも親としてやってきたことを振り返れば
きちんと振り返る勇気を持てば見えてくるはずです
子どもは自分の価値が成績や点数にあると思っていること
そして発達段階の大切な子どもの 頭の中に住む私たちは
まるで映画『マルコヴィッチの穴』を 地で行くようにこんなメッセージを送っていることに
「私がいなかったら何ひとつ達成できやしないでしょ」
私たち親は過度に手助けし過度に保護し過度に指示し世話を焼くことで
子どもが自己効力感を育むチャンスを 奪っているのです
自己効力感は人間の精神の根本をなす概念です
親が褒めそやすたびに子どもが得る自尊心なんかよりずっと大事なものです
自己効力感は自らの行動が結果につながったと感じられた時に育まれるものですよね?
6:28
(拍手)
6:32
親が代わりにやった行動ではなく自らの行動が結果につながった時に育まれます
簡単に言えば子どもが自己効力感を持つのは必須のことですが
そのためには子どもは今よりずっと多く考え、計画し、決断し 実行し、望み、対処し、
試行錯誤し夢を抱き人生経験を積まなくてはなりません
すべて自力でです
7:00
さて私の話は
「子どもは皆 勤勉でやる気に満ち親が子の生活に 首を突っ込む必要はないから
黙って放っておけ」と 聞こえました?
まさか!
7:12
(笑)
7:13
そんなこと言ってませんよ
私が言っているのは成績や点数や表彰や受賞歴を子ども時代の目的にし
すべては一握りの大学に入り 限られた数の職業に就くという
その望みを広げるためという考えは
我が子の成功の定義としてあまりにも狭いということです
親の助けにより子どもが短期的に成功することはあるでしょう
助け過ぎですが親が宿題を手伝えば成績は上がるでしょうし
親が助ければ子ども時代に残せる実績は増えるでしょう
ただしそのすべては長期的な代償を伴い
子どもの自意識が犠牲になるのです
親は我が子が受験したり入学したりするかもしれない特定の大学のことなど心配していないで
どこへ行っても成功できるような習慣や考え方や技能や健康を
我が子が備えているかをもっと心配すべきなのです
私が言っているのは子どものために親は成績や点数への執着を弱め
成功の土台を作れるような子ども時代にもっともっと興味を向ける 必要があるということです
その元となるのは愛情や家事です
8:27
(笑)
8:29
(拍手)
8:34
家事ですよ家事聞こえました?本当にそうなんです
理由を説明しましょう
これまでで最も長い時間をかけて人間の変化を追った研究は
ハーバード大学の 「グラント・スタディ」です
それによると親の望みである人生における職業的な成功の源は
子どものうちにやった家事であることが分かりました
始めるのは早ければ早いほど良いです
腕まくりして手伝おうというマインドセットがこう語りかけるんです
「イヤな仕事だけど 誰かがやんなきゃ 私がやろうかな」聞こえてくるんです
「全体の向上のために自分が頑張ろう」
それが職場での出世につながるわけです
心当たりがあるでしょう
よく分かりますよね
9:16
(拍手)
9:19
誰もが知っています
なのにチェック項目だらけの子ども時代では子どもが家事を手伝うのを免除していますから
成人した若者として 職場に行ってもチェック項目を待っているというわけです
そんなものないのにです
より重大なのはやろうという気持ちや勘の欠如です
腕まくりして自ら手伝いに行き周りを見回して
「どうすれば仲間の役に立てるかな?」「上司の望みの数手先を打つには?」
と考えることができないのです
9:47
ハーバード・グラント・スタディによる 大変重要な発見の2つめは
人生における幸福の源は愛情だということです
仕事への愛じゃありません人間に対する愛です
配偶者やパートナー友人や家族への愛です
子どものうちに愛することを教える必要があります
まず自分を愛せなければ他者を愛することはできません
そして親が無償の愛を注がなければ子は自分を愛せるようになりません
10:16
(拍手)
10:20
そうなんです
ですから成績や点数に執着するのではなく
大切な我が子が学校から帰ってきたり
自分が仕事から帰宅した時電子機器は閉じましょう
携帯は脇へやって子どもの目を見て
数時間ぶりに我が子に会えた喜びが私たちの顔に表れているところを子どもに見せるのです
それから必ずこう言います
「どんな1日だった?今日よかったことは何?」
うちの娘のようにティーンともなると「ランチ」と答えます
こっちが聞きたいのは数学のテストで
ランチはどうでもよくてもやはりランチに興味を示さなくてはいけません
こう言うんですよ「今日のランチは何がよかった?」
子どもが親にとって大切なのは人間としてであって
成績評価は関係ないと 子どもに分からせるのです
11:10
さて皆さん こうお考えでしょう
「家事や愛情は大いに結構だが ちょっと待ってくれよ
大学が求めているのは高得点や最高の成績表彰や受賞歴じゃないか」
私の答えは「まぁ確かに」
最高級ブランドの大学が子どもたちに求めるのはそれです
でも朗報があります
大学ランキング商法が私たちに信じさせようとする情報とは裏腹に
11:37
(拍手)
11:42
人生において成功と幸せをつかむために最高級のブランド大学へ行く必要はないんです
成功し幸せになった人には地元の公立校を出た人も
無名の小さな大学や コミュニティ・カレッジ出身の人も
大学へ行ったけれど退学になった人もいます
11:57
(拍手)
12:04
その証拠はこの会場にも私たちの社会にもあり
それが真実であることを示しています
私たちが視野を広げ より多くの大学に目を向けようとし 自分のエゴを捨てたなら
私たちはこの真実を受け入れ気づくことになるでしょう
我が子が有名ブランド大学に行かなくてもこの世の終わりにはまずならないと
さらにもっと大切なのはあの非道なチェック項目に従わずに子ども時代を過ごしたなら
子どもは大学に進むとき
それがどこの大学であれ自らの意思で行き先を選ぶのです
自らの熱意に支えられ行った先でうまくやる力を備えているのです
12:48
ひとつ白状させてください
私は2人の子持ちだと言いましたね ソーヤーとエイブリーです
2人ともティーンエイジャーです
かつての私のソーヤーとエイブリーに対する感覚は盆栽を育てるようなものでした
13:02
(笑)
13:04
2人を入念に剪定して人間として完璧な形に仕上げようと していました
あわよくば超一流の大学にも入れるくらい完璧に作り上げようとしていたんです
でも気づきました何千もの他人のお子さんと接し
13:22
(笑)
13:25
そして自分の子育てをする中でうちの子たちは盆栽じゃない
子どもは野の花なんだって
ナニ属ナニ種かもわからない野生です
13:38
(笑)
13:40
私の役目は栄養たっぷりの環境を与え家事を通じて子どもを強くすることと
他者を愛し愛を受け止められる子になるよう子どもを愛することです
大学や専攻や職業は本人たち次第です
私の役目は自分が仕向けたとおりの子どもを育てることではなく
子どもが自ら輝いていくのをサポートすることです
14:06
ありがとうございました
14:07
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